今回は「ARQ 時の牢獄(Netflix)」です。

2016年に配信された米加合作のSF映画。監督はトニー・エリオット、主演はロビー・アメルとレイチェル・テイラーが務めた。
主演:ロビー・アメル
共演:レイチェル・テイラー、ショーン・ベンソン、グレイ・パウエル、ジェイコブ・ネイエム、アダム・ブッチャー、タントゥー・カーディナルなど
<ストーリー>
世界最後のエネルギー供給源をめぐり、企業と主権国家が戦いを繰り広げる近未来。若き技術者のレントンとハンナは、戦争終結に結びつくかもしれない実験的な新エネルギー技術を救おうと試みます。ところがその技術がタイムループを作り出し、2人は自宅にいるところを集団に襲われる瞬間を何度も繰り返し体験するはめに。タイムループを打ち破り、そこから生きて抜け出す方法とは…
Netflixで2016年に配信されたSF映画である。
エネルギー供給源をめぐって企業と主権国家が戦いを繰り広げる、という近未来を描いたものだけど、細かい説明は一切なくて、いきなりタイムループが始まる。
あのトム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を思い出す。
原因は、主人公であるレントンが作り出した新エネルギーによるものらしいのだけど、その原理とかどういうエネルギーなのかの説明もない。
なので、「トーラス」とか「ブロック」「ARQ」といった言葉がいったい何を指すのかまったくわからないまま話は進む。
とにかく、主人公が何度も何度も何度も同じ時間帯を繰り返すのだけど、これまでのタイムループものと違うのは、タイムループを繰り返すごとに、それに気が付く人がだんだん増えている、というところだろうか。
つまり、最初は主人公だけ、次はヒロインであるハンナ、そして主人公たちを襲った連中も、最初はラリーというリーダー格の男、さらに一人ずつタイムループに気が付いていく、という展開になっている。
だから、主人公が前回の失敗を繰り返さないようにしようとしても、その前回の様子を覚えている人間が増えてくるので、主人公の行動もいろいろと変化させなければならなくなる、というわけだ。
そういう意味では、斬新なアイデアと言えるかも知れない。
とは言え、そうなると当然のことながら、見ていて「おや?」と思う事象が起こる。
要は、矛盾が起こるわけである。
まず、タイムループが起こるきっかけとなるのは、主人公を襲う側の人間であるカズという者が、新エネルギー発生装置に触れて感電死してしまったからなのだけど、タイムループが繰り返されていく中で、ラリーたちがその原因に気が付き、カズを感電させないという状況を発生させてしまう。
それでもタイムループは継続するのだけど、これは明らかにおかしい。
さらに、終盤でレントンとハンナはラリーから逃げるために建物の外に出るのだけど、そこで自分たちがいた建物を中心に円を描くような範囲だけ、そのタイムループが起こっていることに気が付く。
つまり、その円の内側だけでタイムループが起こっているわけで、それ以外の場所はいつも通り時が流れているわけである。
となると、ラリーがその都度外の世界と無線で連絡し、仲間を建物に呼び寄せようとする、というシーンが何度か出てくるけど、建物内だけ同じ時間帯がループしているのだから、外にいる仲間たちはそのうち「おかしい」と思うはずだ。
このあたりが完全に無視して作られているのは、ちょっと違和感がある。
とは言え、SFではこういう矛盾を解消できずに映画を作るということはよくあるので、この程度のことは許容範囲なのかも知れない。
ということで、まずまず楽しめたので評価は「C」にします。